
『葬送のフリーレン』レビュー|時間と喪失が静かに刺さる、現代アニメの到達点
2023年 ・ 全28話 ・ MADHOUSE
更新: 2026-06-14
作品情報
葬送のフリーレン
魔王を倒した勇者一行の「その後」を描くファンタジー。1000年以上を生きるエルフの魔法使いフリーレンは、共に旅した人間の仲間たちとの時間が、自分にとってどれほど短いものだったかに気づく。人間をもっと知るための旅に出た彼女は、弟子の魔法使いフェルンや少年戦士シュタルクらと、かつての仲間の足跡をたどりながら北を目指す。派手な戦いよりも、過ぎていく時間と記憶を静かに見つめる物語。
- 📅 放送時期
- 2023年秋
- 📺 話数
- 28話
- 🎬 形式
- TV
- ⏱ 1話
- 約24分
- 📡 放送状況
- 完結
- 📖 原作
- 漫画
- 🏢 制作会社
- MADHOUSE
- 🎭 ジャンル
- 冒険ドラマファンタジー
テーマ・タグ
公式サイト・SNS
作品データ・キャスト
主要キャスト
メインフリーレン
CV: 種﨑敦美
本作の主人公。1000年以上を生きるエルフの魔法使いで、多くの魔族を葬ってきた伝説の存在。感情表現は淡白だが旅を通して人間を学んでいく。
メインフェルン
CV: 市ノ瀬加那
フリーレンの弟子の少女魔法使い。しっかり者で、家事から戦闘まで旅を支える頼れる存在。
メインシュタルク
CV: 小林千晃
アイゼンに鍛えられた少年戦士。臆病で自信がないが、いざという時に大きな力を発揮する。
サブヒンメル
CV: 岡本信彦
かつて魔王を倒した勇者パーティーのリーダー。フリーレンが旅に出るきっかけとなる人物。
サブハイター
CV: 東地宏樹
勇者一行の僧侶。戦災孤児だったフェルンを引き取り育てた恩人。
サブアイゼン
CV: 上田燿司
勇者一行のドワーフの戦士。シュタルクの師でもある重戦士。
サブフランメ
CV: 田中敦子
フリーレンの師にあたる伝説の大魔法使い。人類の魔法の礎を築いた人物。
サブクヴァール
CV: 安元洋貴
人を殺す魔法「ゾルトラーク」を生み出した魔族の魔法使い。
スタッフ
- 原作
- 山田鐘人
- 作画
- アベツカサ
- 監督
- 斎藤圭一郎
- シリーズ構成
- 鈴木智尋
- キャラクターデザイン
- 長澤礼子
作品データ
- 原作
- 漫画
- 放送時期
- 2023年秋
作品データ(詳細)
主題歌
- OP「勇者」/ YOASOBI(第1〜16話)
- OP「晴る」/ ヨルシカ(第17〜28話)
- ED「Anytime Anywhere」/ milet(第1期)
- 📖 掲載誌
- 週刊少年サンデー(連載中・既刊15巻)
- 📡 放送
- 日本テレビ系列ほか(2023年9月29日「金曜ロードショー」枠で初回放送)
🏆 受賞歴
- 東京アニメアワード2025 TVシリーズ部門
- クランチロール・アニメアワード2025(最優秀ドラマ作品賞ほか複数受賞)
シリーズ放送順(年表)
本作とつながる続編・前作・劇場版を放送順に並べています。
- 1
本作葬送のフリーレン
2023年秋
TVアニメ / 全28話
★ 9.1
- 2
外伝葬送のフリーレン ~●●の魔法~
2023年秋
ONA / 全12話
★ 7.3
- 3
外伝葬送のフリーレン ~●●の魔法~ 2クール
2025年春
ONA / 全6話
★ 7.0
- 4
続編葬送のフリーレン 第2期
2026年冬
TVアニメ / 全10話
★ 8.8
各シーズンのあらすじ
ネタバレなし- 1
本作 葬送のフリーレン(2023年秋)
本編(第1期)。勇者ヒンメルの死をきっかけに、フリーレンが弟子フェルンや戦士シュタルクを連れて、かつての旅路を北へたどる物語。
- 2
外伝 葬送のフリーレン ~●●の魔法~(2023年秋)
本編と並行して公開された数分のミニアニメ。フリーレンたちの何気ない日常をコミカルに描く短編シリーズ。
- 3
外伝 葬送のフリーレン ~●●の魔法~ 2クール(2025年春)
ミニアニメ「●●の魔法」の続編パート。引き続き、ゆるい日常の小ネタを短編で届ける。
- 4
続編 葬送のフリーレン 第2期(2026年冬)
本編の続きとなる第2期。北へ向かう旅の新たな章を描く続編。
『葬送のフリーレン』は、勇者パーティーが魔王を倒した「その後」を描くファンタジーアニメです。 エルフの魔法使いフリーレンは千年単位で生きる種族であり、仲間たちと過ごした10年間は彼女にとって「ほんのひとときの旅」でした。 しかし、勇者ヒンメルが老いて死を迎えたとき、フリーレンは初めて気づきます——自分は彼のことを、何も知らなかったと。 その後悔から始まる、「人を知るための旅」が本作の物語です。
あらすじ(ネタバレなし)
魔王討伐を果たした勇者ヒンメルのパーティーは、英雄として歴史に名を刻みました。 しかし50年後、フリーレンは再会したヒンメルが老人になっていることに気づき、彼の死に際して初めて涙を流します。 「なぜ私は彼のことをもっと知ろうとしなかったのか」——その問いを抱えたフリーレンは、新しい弟子フェルンと戦士シュタルクを連れて、かつての旅路を辿る旅に出ます。 戦いの記憶と日常の断片が積み重なる中で、フリーレンは少しずつ「人間の時間」の意味を理解していきます。
なぜここまで多くの人に刺さるのか
「勇者の死後」から始まるという構造の革新性
多くのファンタジー作品が「魔王を倒す旅」を描く中、本作は「倒した後の世界」を舞台に選びました。 英雄譚の終わりが始まりになるという逆転の構造が、作品全体に「過去と現在が交差する叙情性」を与えています。 ヒンメルとの過去の回想シーンは物語が進むたびに挿入されますが、それが積み重なるほど「彼はもういない」という事実が静かに重くなっていく——その設計が、多くの視聴者の心を揺さぶると言われています。
「時間」と「喪失」を描く丁寧な語り口
フリーレンはエルフゆえに、人間の一生を「ほんの少しの時間」と感じます。 しかしその「ほんの少し」の中に、どれほど大切なものが詰まっているかを、旅を通じて少しずつ気づいていきます。 泣き叫ぶ場面も、激しい感情表現もほとんどありません。 それでも視聴者が「突然泣いていた」と語る場面が多いのは、日常の何気ない描写の積み重ねが感情の器を静かに満たしていくからだと感じます。
三人旅の「間(ま)」が生む笑いと温かさ
フリーレン・フェルン・シュタルクの三人の掛け合いは、シリアスな作品トーンの中で絶妙な息抜きになっています。 無口で淡々としたフリーレン、真面目で少しとげのあるフェルン、素直で少し鈍感なシュタルク——三者の性格の対比がつくる「間」がコメディとして機能しており、ただ重いだけでは終わらない作品の懐の深さになっています。 この三人旅のやり取りを目当てに見続けるファンも多いと聞きます。
Madhouse×澤野弘之が生み出す映像と音楽の完成度
Madhouse制作による映像は、魔法演出の美しさだけでなく、森・草原・村の日常描写も丁寧で、旅の空気感が画面から伝わってきます。 澤野弘之と村山☆潤による音楽は、感情の頂点で鳴り響くのではなく、静かなシーンの余白を埋めるように設計されており、「気づいたら音楽に泣かされていた」という声が多いのも納得です。
こんな人におすすめ
- 「静かに深く刺さる作品」を探している人
- 大切な人との別れや時間の流れについて考えたことがある人
- 美しい作画と音楽で心を満たしたい人
- アクション一辺倒ではなく、人間ドラマや対話を楽しみたい人
- ヴァイオレット・エヴァーガーデンのような「感情を学ぶ主人公」が好きな人
まとめ
『葬送のフリーレン』は、派手な展開や衝撃の演出ではなく、「時間の流れ」と「記憶の重さ」を静かに積み重ねることで視聴者の感情を動かす、近年のアニメの中でも特異な存在感を持つ作品です。 ジャンルやアニメ視聴歴を問わず幅広い層に届いていることが、この作品の評価の高さを物語っています。 「最初の数話は地味かも」という声もありますが、多くのファンが「3話以降から止まらなくなった」と語っています。 まだ見ていない方は、できれば1話から通しで、静かな時間に見ることをおすすめします。

編集部が実際に見た感想
みんなの評価・世間の声
2023年秋クールに放映開始し、国内外で「今まで見たことがないアニメ」という感想が続出した。各レビューサイトで最上位クラスの評価を獲得し、放送当時は「歴代最高クラス」と繰り返し語られた作品だ。「泣ける」「刺さる」と語られる場面の多くが派手なアクションではなく、ヒンメルとフリーレンの過去回想シーンであることが、この作品の感動の核が「時間と喪失」にあることを示している。制作はMadhouse、音楽はEvan Call(エバン・コール)が手がけ、映像・音楽ともに国際的に高く評価されている。
✦ 高く評価されている点
- ✓ヒンメルとの過去の回想が積み重なるたびに「あのとき彼はもういない」という事実が静かに刺さり、「何気ない日常シーンで突然泣かされた」という感想が国内外で多数を占めている。
- ✓エルフであるフリーレンが千年単位の時間感覚を持ちながら、人間の「ほんの少しの時間」の価値を学んでいく過程が、視聴者自身の人生観と重なると感じる層が多く、「大人になってから刺さる作品」として評価が高い。
- ✓Madhouse制作による作画クオリティが全話を通じて高水準を維持しており、特に魔法の演出と自然描写の美しさがアニメファン以外にも広く評価されている。
- ✓澤野弘之・村山☆潤による音楽が場面の感情を的確に増幅させており、「音楽だけで泣ける」という声が多く、サウンドトラック単体での評価も高い。
- ✓フリーレン・フェルン・シュタルクの三人のやり取りが「掛け合いの間(ま)」として非常に面白く、シリアスな感動と軽妙なコメディのバランスが絶妙との評価が多い。
⚖ 賛否が分かれる点
- ±序盤の展開が比較的ゆっくりとしており、「1〜2話は退屈に感じた」という感想も一部にある。ただし3話以降から引き込まれたというレビューが多く、序盤で判断して離脱するのは惜しいという意見が多数を占めている。
- ±「悲しみを直接的に描かず余韻で伝えるスタイル」が「刺さらない」という一部の視聴者層もおり、派手な感情表現を好む層には淡白に映る場合がある。
◎ こんな人に刺さる
「時間の流れ」や「大切な人との別れ」を経験した人ほど強く響く作品で、思春期よりも20〜30代以上の視聴者に「人生のある時期に見て良かった」と語られるケースが多い。また、日常の何気ない時間に価値を見出す感性を持つ人や、派手な展開より丁寧な人間ドラマを好む層に特に支持されている。原作漫画ファンからも「アニメ化の再現度が高い」と評価が高い。
参照:CBR - Frieren Season 2 Top-Rated on MyAnimeList
※公開されている評価の傾向をまとめたものです
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よくある質問
葬送のフリーレンは全何話?
1期は全28話です。2クールにわたる構成で、じっくりと世界観を堪能できる作品です。
原作は漫画?
はい、山田鐘人(原作)・アベツカサ(作画)による漫画が原作です。週刊少年サンデーにて連載されており、受賞歴も多い人気作です。
どこで視聴できる?
U-NEXT・DMM TVなどの動画配信サービスで視聴できます。配信状況は変更される場合があるため、最新情報は各サービスでご確認ください。
2期(続編)はある?
2期が制作・放映されています。1期の続きとなる展開が描かれており、1期視聴後にそのまま続けて楽しめます。
テンポがゆっくりと聞いたけど大丈夫?
確かに派手なバトルより静かな対話や回想が中心の作品です。ただ、その「間」の使い方が感情の余韻を生む設計になっており、慣れると独特の心地よさがあります。アクション重視の方には少し合わないかもしれませんが、人間ドラマが好きな方なら問題なく引き込まれます。





